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不健康と知りつつも走り出したら止まらない

 昨年の夏頃から、会社の有志で集まり、週一回のペースで終業後に皇居の周りを1周ジョギングすることにしている。業務の都合などで走れない週もあるが、途切れながらも一年以上継続しているのはなかなかすごいことだと思う。今のところ同好会のメンバーは四人いるのだが、仲良く一緒に走るということはなく、各々のペースに合わせてただ黙々と走るだけである。そういうことであれば、何も同好会まで組織することもなさそうなものだが、妙なもので桜田門の辺りからスタートするというところまではみんな一緒なのである。
 一旦走り出してしまえば、それぞれ基礎的な身体能力や体力が違う上に、モチベーションも人それぞれなので、一周あたりのタイムには大分開きが出る。毎回自己ベストタイムを更新したいとか、近日中にマラソン完走を目指すとかいったような立派な目標がある者は当然のことながらタイムも早い。一方で僕のように運動不足解消といったような意識が低いところにある者はタイムも遅い。今のところ僕よりも遅いのは、「前を走る女性のスタイルが良かったら抜かしてみて後ろを振り返って顔を確認したい」という目標を持ったOさんくらいのものである。個々の意識の高さはそのままタイムにまで反映されるものであるらしい。
 ところが継続するということはすごいもので、僕のようにあまり意識が高くなくても、続けているとタイムもどんどん速くなってくる。始めたばかりの頃は、一周五キロを30分ほどかけて走っていたのが、今では26,7分で走れるようになっている。もう運動不足とは誰にも言わせないぞと、別に誰もおまえは運動不足だとも言われたわけでもないのに、一人肩で風を切って歩いていたら、ネットで皇居を走るのは実は身体に悪いという記事を読んでしまった。


皇居ランニングは「身体にいいわけがない」? 専門家が解説 - ライブドアニュース

 どうやら皇居の周りは排気ガスが多く、走っていると大量の排気ガスを吸引してしまうだけでなく、道路が傾いているため、両足に均等に負担がかからないので怪我をしやすいのだそうだ。言われてみれば、今年の冬に皇居の周りを走っていると、右のふくらはぎの辺りを強烈な痛みが遅い、脚をひきずりながらゴールしたことがあった。
 健康のために良かれと思って苦しい思いをして走っても、逆に身体を悪くしては元も子もないのだが、この記事を同好会のみんなに紹介した後も週一回のランニングは続いている。一度身についてしまった習慣というのは恐ろしいものである。一説によると、皇居の周りは多い日には一日で一万人を超える人が走っているそうだが、全員がこの記事の内容を知りつつも習慣で走っているのだとしたら実に面白い。分かっちゃいるけど辞められないというタバコのようなものである。