お嬢様聖水という商品名には興味をそそられるがあまり飲んでみたいとは思わない

 別に誰に誓ったわけでも、誰かに命令されたわけでもないが、いつの間にか毎週末にブログを更新するのが通例になっている。先週末はブログの更新をしなかったのだが、習慣というのは恐ろしいもので、記事を書かなかったことについて一抹の後ろめたさを感じざるを得なかった。弁解をさせてもらうと、先週は出張続きであったうえ、仕事が忙しくて職場に行けばなんやかんやで終電ギリギリで家に帰るような生活をしていたので、週末にはすっかり疲れ果ててしまい、ソファの上で呆けたように寝転ぶばかりでとてもブログを書いているような状況ではなかったのである。
 人間が消耗しきった状態を機械に例えて「電池切れ」などと言うが、正に先週末は電池切れと言うにふさわしかった。立ち上がって身体を動かそうという気も起きないどころか、思考自体が止まっていたようにも思う。
 幸い週末は十分に眠って身体を休めることができたので、少しは充電されたようにも思うが、まだ休み足りないのか、いまひとつ頭がはっきりしない。僕は普段から割りとぼんやりしているところがあるのだが、ここ最近は普段以上にうすらぼんやりとしている。しかし、通勤途中の東京メトロの駅の構内で、そんなぼんやりした状態を一気に吹き飛ばすような広告を目の当たりにした。その広告が宣伝している商品は、その名も「お嬢様聖水」という衝撃的と言おうか末期的と言おうか、極めてアレなネーミングである。
 広告のデザインもネーミングに負けず劣らず末期的であり、長くて綺麗な髪をした、おそらく上半身裸の美女のイラストがこちらを見て涙を流しているという、商品名も相まって扇情的な出来に仕上がっている。広告については製品のホームページもあるようなので、そちらを御覧いただいた方が早いかと思う。

www.ojyosama.jp

 どういう訳だか、広告を一見しただけで、「これは倫理的によろしくないものだ」という考えが直感的に頭をよぎってしまう。本来聖水というのは、宗教的な儀式で使われる水を指しているはずなのだが、どうも僕の中では「聖水=おしっこ」という既成概念が出来上がってしまっている。そしてこのしょうもない既成概念を抱えているのは、僕だけではないと思いたい。日本人成人男性は、「聖水」と言えば0.3秒後に「おしっこ」が連想されるように設計されているのである(一部のドラクエマニアの中には、「聖水=モンスターにエンカウントしないアイテム」という方もいるかもしれない。それも結局は本来の意味とかけ離れているということには変わりないのだが。)。
 そうした経緯から、広告を目にした瞬間に「駅の構内という公共の場でなんちゅうモノを宣伝しているんだ」という思いを抱いてしまうのは無理からぬことなのである。反射的に、「ああ、お嬢様聖水というのは、ここに描かれているお姉さんのような女性のおしっこを売っているんだな」と思ってしまう男性が大多数ではないだろうか。きっと本製品のターゲットも綺麗なお姉さんのおしっこを飲みたいという変態的な嗜好を持つおじさんなんだろうなと思い、興味本位で上述の公式ホームページを読んでみると、なんと本製品は「植物発酵エナジードリンク」であるらしい。
 これがエナジードリンクであるのならば、僕のように仕事に疲れた男が飲んでいてもなんらおかしくはないはずなのだが、僕が会社でこの「お嬢様聖水」を人目を憚らず、美味そうな顔をしてグイっと飲み干した後に生気を取り戻しているような絵はあまり想像したくない。もしそんなことをしたら、周りの同僚たち、特に女性社員からの顰蹙を買うことに疑念の余地はない。
 さらに、どうやら作り手側が購買層として意図しているのは女性であるらしいから驚く。言われてみればキャッチコピーも「あなたの中の女神が目覚める」と、お嬢様なのか女神なのかどっちかにしろよとは思うが、女性が飲む事を前提としたものになっている。メーカー側の意図に反して、その手の趣味を持つ変態おじさんが買い占めるのが目に見えているような気がするのだがどうだろうか。