How-Old.netなんか使わなくてもてめえの歳くらいてめえで分かれよ

 Microsoftが公開したHow-Old.netというサービスが人気を博しているらしい。顔写真を投稿すると、その人の性別と年齢をプログラムが推定してくれるというものなのだが、たかがそれだけのサービスに何十万枚という写真が投稿されているというのだから、人の世というものは実に不可解である。ボケ老人でもあるまいし、自分が何歳なのかということくらいプログラムに尋ねるまでもないだろうに、敢えて自分の写真を投稿して、当たったの外れたので一喜一憂するのがそんなに楽しいかと思ってしまう。
 おそらく血眼になってこのサービスにバンバン写真を投稿しているのは、僕らくらいの世代が多いのではないかと察する。30代前半から半ばというのは、老いというものを自覚し始める最初の時期にあたる。5年前に比べて体力はみるみる衰えてくるし、ふとした時に窓に写った自分の姿を見て、「どこのおっさんかと思ったら俺じゃないか」と思ったりする年代である。特に女性はこのくらいの年齢に達すると、実年齢より若く見られることに異常に固執し始める。32歳の女性に「私いくつに見える?」と聞かれて、正直に「32歳に見えます」などと言ってしまうと、露骨に不機嫌になる。クイズには見事正解したのになのに怒られてしまうという実に理不尽な事態に陥るのだ。この場合は嘘でも「どう見ても20代に見えます」と答えるのが間違いだけれども正解のようである。
 どうせHow-Old.netなんてものは、自分の老いが受け入れられない人たちがコアユーザーなんだろうと穿った見方をしてしまう。いい歳こいた大人がカメラを自分に向けて色々な角度から撮ってみたり、光の加減を調節したり、やっとの思いで撮った20枚のうちの写真のひとつが実年齢よりも5歳若かったからと言って何が嬉しいんだかと呆れてしまうばかりである。
 そこへ行くと僕なんかは23歳の時に真顔で35歳くらいに見えると言われたり、中学生の時に街を歩いていたら新開発のビールの試飲を勧められたりしたフケ顔人生を歩んでいるので、34歳現在の写真を投稿して53歳と言われたところでなんとも思わないのである。
 そうは言っても、顔写真からその人の年齢が算出できるとは技術の進歩とは恐ろしいものである。将来的にには年齢くらいで満足せず、その人の顔や体型にぴったりのあだ名をつけるサービスができたらきっと面白いのではないだろうか。どう考えてもこれ以上はかっこよく撮影できないだろうという奇跡の一枚を自信満々で投稿して、「濡れせんべい」などという評価が返ってきた人の顔が見てみたいものである。