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自分が臭い時に臭いと言ってくれる友人はある意味貴重

  身体や髪を洗うときに石鹸やシャンプーは使わない方が良いという説をどこかで聞きかじったため、ろくに科学的根拠も確かめずにそれを実践している。話によると、新陳代謝が特に活発な成長期を過ぎてしまえば、身体の汚れを落とすくらいであればお湯を使えば十分で、石鹸などを使うのは逆に身体を守る脂まで洗い流してしまうので良くないそうである。
 自身の健康にあまり関心がない自分がなぜこの説に飛びついたのか良く分からないが、おそらく毎日石鹸とタオルを使って身体を洗うのが面倒くさいという意識と絶妙にマッチしたのだろうと思われる。もっとも湯船に浸かるという行為自体はドラえもんに出てくるしずかちゃんにも引けを取らないほど好きなので、毎日入浴はしつつも、石鹸とシャンプーを使って身体や頭を洗うことはしないという習慣が定着してきた。ただし、足の指や腋の下など、多量の汗をかくようなところは、定期的に石鹸を使って洗わないとベタベタして気持ちが悪い気がするので、そこだけは石鹸を使って洗うようにしている。
 石鹸やシャンプーを使わないことで健康面で何か変化が生じたかと問われると、特に何もないというのが正直なところである。健康面でメリットもデメリットもないのであれば、面倒臭くない方を選ぶのが人情と言うものだろう。
 健康面以外のことで良い事が一つあって、それは整髪料を付けなくても良くなったことである。シャンプーを使わないことで、髪に頭皮から分泌されている脂が残るので、整髪料を使わずにスタイリングができるのである。さすがに髪をツンツンに立てたりすることはできないが、髪を分けて撫で付けるくらいは難なくできる。今までは洗髪をする際に、シャンプーも整髪料も全て下水に流していたものが、今ではどちらも流すことがなくなり、随分環境の改善にも貢献できているのではないかと自負している。
 僕が石鹸もシャンプーも使わないのは僕の勝手かもしれないが、果たして周りの人に迷惑をかけていやしまいかと少し気になっている。身体を洗うのにお湯しか使わないことで自分の体臭がきちんと取れているのかと。厄介なことに自分の臭いというのは自分で分からないので、他人の嗅覚を当てにするしかない。今年も汗を大量にかく季節になってきたが、電車や職場などで、異臭騒ぎを起こすのは本意ではないので、臭いのであれば誰かに注意してもらいたいのだが、乗り合わせた乗客全てが「他人」である電車はもちろん、職場においても僕に面と向かって「臭い」と注意してくれるような心安い関係の友人がいないのである。思えば中学生や高校生の頃は「おまえ臭えよ」と言ってくれる友達が何人かいたものだ。「あの人めっちゃ臭いよね」などと陰で言われるより、直接注意してくれる人の存在はありがたいものである。